hdnprgの日記

アンドロイド、ヒューマノイドを扱った小説を、思いつき次第公開します。諸事情により、他サイトでも投稿中@hdn_prg

少年

極熱に散る桜(上)【メカバレ・残虐な表現あり】

残酷な表現(メカバレ表現を含む)があります。また、このお話には男性しか出ません。それでは、どうぞ。 <直也>夕方、開店前の店内を掃除。俺は手を止め、店を見渡す。俺は、この店のトップホスト。夜のひととき、花開くような最高の夢を見せている。でも、あ…

透明な絶望 (デスゲームもの)

透明な球体。人の背丈を超える大きさの風船に向かって、全力疾走。風船が弾み、俺は反動をそのままに反転、部屋の反対へ向かって走り出す。 俺とキルシュは、死のゲームに投げ込まれた。ざっと見たところ、参加者は数十人ほどだった。球形の風船。「ワクチン…

【小説】アオのたましい【男の子メカバレ表現あり】

テーブルに手を伸ばし、ひも付きのしおりを拾い上げる。私がそっと顔を上げると、端正な少年の姿があった。少年は、ソファに深く腰掛け、ゆったりとテレビを観ている。私はしおりを本に挟むと、音を立てないようそっと本を閉じた。テーブル上のグラスを手に…

【小説】劣化「させられる」ロボット

家族がくつろぐ、リビングルーム。その隅に、大きな布が被せられた家電がある。十歳台前半の少年を模した、ロボットだった。 ロボットがこの家にやってきたのは、7年ほど前だった。 たくさんの洋服を買い与えられ、毎日とっかえひっかえ着せ替えられた。そし…

少年型警備ロボットとの邂逅と捕獲

明かりのない、薄暗い通路。駆け足で進む私の顔に、突然、鋭い痛みが走る。とっさに避け、後ろへ大きく飛びのく。私の前に、突然、線の細い人影が浮かび上がった。槍を手にした少年が、私の前に立ちふさがっていた。なめらかな薄黒い肌と黒いタイツが、闇に…

【残虐な描写あり、メカバレ】通信遮断

一面の墨色。その中に、ちらほらと明かりがあった。それは、無骨な無線機器類のLEDランプの明かり。さらに、閉じた瞼の間から漏れる赤色の光。 部屋の扉が開けられ、男が入ってくる。男は、照明を灯した。薄汚れ、破れたジャケットを着た50がらみの男だ。部…

【小説】晒し者(下)

作業台の上に、人型のロボットが仰向けに寝かされている。その身体は、泥と油にまみれている。その上、背中はばっさりと切り開かれて、内部の部品は無惨に破壊され、焼き付いていた。 作業代の傍らに、一人の少女がたっている。少女は、ぼろぼろの少年型ロボ…

【小説】晒し者(上) (残酷な描写有り、メカバレ)

住宅街の中にある、僅かな空き地。膝丈ほどの草が茂る広場の中央に、人の高さほどの白い塔が立っている。 塔の周りで、十人程の人影が、固まって蠢いている。皆、痛々しい姿を晒している。顔が半分抉れていたり、右肩から先が欠けていたり、胸元の皮膚を大き…

秘密の乗り移り歩き

大都市の地下街、十字路の真ん中。四方に伸びる通路の両側はすべて商店となっていて、店員が忙しく動き回っている。それらの通路に向けて、絶え間なく人が行き交う広場の中央には、巨大なガラスのオブジェが置かれている。 スーツ姿の女性ロボットと、私は、…

逃走

白髪の少女と、同じく白髪の少年。同じ姿をした、無表情の少年少女に囲まれている。全員の手には、金色の短槍が握られている。囲まれた少年と少女は、短槍を操り、襲いかかってくる刺客をひるませ、倒す。背中合わせで、互いが互いを守る。少女の正面で、包…

【小説】ヒューマノイドを新調するとき

少年型ロボットが、パソコンに接続されている。同じパソコンに、もう一人、少年型のロボットが接続されている。二人は、そろって膝を抱え、体育座り。目を閉じて、眠っている。ロボットが古くなってきたから、新しいロボットを買ってきた。新しいロボットに…

手伝いロボット おせんたく

少年が、洗濯機のふたを開ける。洗い物を、かごから洗濯機に移す。痛みそうな服は、体に栄に畳んでネットに入れる。洗濯物をいれ終わる。少年は、ぱんぱんと手をたたき、糸くずを落とす。やおら、洗濯機によじ登り、洗濯そうの上に腹ばいに乗ってしまう。じ…

ささやかなうそつき【少年型ロボットと男性の日常】

その部屋には、二つの人影があった。一つは、ソファに深く座り、タブレットPCを叩きながら難しい顔を浮かべている。部屋着も頭髪も清潔にしているが、無精ひげだけはそのままにしていた。もう一つは、壁に背中を預けて、窓の外をぼんやりと眺めている。カー…

【小説】人形劇

「宝物なんです」彼は、優しくはにかみながらそう言った。愛おしそうに撫でる。無数の棘に覆われた鉛色の球体を。ギギギギギ・・・小さな手のひらに、痛々しい傷を加える。もし、彼に血が通っていれば、球体は真っ赤に染まっているだろう。表面には、彼の皮…