hdnprgの日記

アンドロイド、ヒューマノイドを扱った小説を、思いつき次第公開します。諸事情により、他サイトでも投稿中@hdn_prg

ショッピングモールへお出かけ_ロボットのいる日常

ロボットは、シートに深く腰掛け、外を流れる景色を眺めていた。ロボットは若い女性を象った顔を持ち、オーナーである家族の家事手伝いをしている。

ロボットのオーナーは、月に1度、車で1時間のところにある大型ショッピングモールへ買い物に向かう。
車を走らせてすでに半刻以上、車内はラジオの音だけが響いている。初めは盛り上がっていた少年も、後部座席で携帯電話を触っている。車を運転する男は助手席の女性から缶コーヒーを受け取り、口に含んだ。

ロボットショップは、店内に入ってすぐのところにある。
オーナーが買い物を楽しむ間、ロボットはショップに預けられ、点検と調整を受けるのだ。
広い間口を備えたショップ前に、端末を構えた店員がずらりと並び、入店した客から次々とロボットを受け入れている。
女性は、店員と手短にやりとりすると、ロボットを店員に預け、伝票を受け取る。店員は、ロボットに管理タグを渡す。自分の手首にタグを巻き付けたロボットが顔を上げると、女性はすでにこちらを見ておらず、家族と共にショッピングモールの奥に向かうところだった。いつもの光景だ。
ロボットは、ロボットショップの店内に入り、他のロボットと共に点検の順番を待つ。

夕方、オーナーたちはショッピングカートに荷物を満載してやってきた。
ロボットショップで支払いを済ます。点検の結果、今回は特に異常が無かったようだ。
ショップから出てきたロボットは、カートを押してオーナーたちの後を歩く。点検後初めての仕事は、車への荷物の積み込みだ。

【小説】アオのたましい【男の子メカバレ表現あり】

テーブルに手を伸ばし、ひも付きのしおりを拾い上げる。
私がそっと顔を上げると、端正な少年の姿があった。
少年は、ソファに深く腰掛け、ゆったりとテレビを観ている。
私はしおりを本に挟むと、音を立てないようそっと本を閉じた。
テーブル上のグラスを手に取り、残っていた麦茶を口に流し込む。喉が、こくり、と大きな音を立てる。

夕食を終え、のんびりとした時間が流れる。
洗い、拭ったばかりの食器がガラス戸の棚に整然と積まれている。

テーブルの上には、グラスが一つ。棚の中の食器も、一組だけだ。私の目の前にいる白い肌の少年は、食べ物を口にしない。
家庭用アンドロイド、と呼ばれている。
塵一つない清潔な床、おひさまの臭いがする真っ白なタオル。すべて彼のおかげだ。

私は空になったグラスを手に取り、冷蔵庫に向かった。
テレビの派手な笑い声が、背後から追いかけてきた。
ボトルを傾けると、透明なグラスが、涼しげな焦げ茶の液体で満たされた。

私は、グラスを手にリビングに戻った。少年は、テレビ画面を見つめ続けている。
ソファの上から、少年の草色の髪が見える。丁寧に梳かれた髪が、ふわりと白いうなじにかかっている。うなじには青い……あれ?

私は、そっと少年の後ろに立ち、うなじをのぞき込んだ。確かに、青いものがくっついている。半透明で、やわらかそう。

私は、ソファの後ろから手を伸ばし、少年の肩を叩いた。いつもならすっと振り返ってくれるのに、とてもゆっくりと、どこまでもゆっくりと肩を回した。

私はたまらず、ソファの正面に飛び出した。手にしていたグラスをテーブルに叩き置くと、少年の顔をのぞき込む。少年の目は、意識が半ば夢の中にあるように、とろりとしていた。


私は、少年の頭を両手で挟み込んだ。すると、少年の瞼はさらに閉じられた。少年は、小刻みに震えだした。

私は、しばらく呆然としてしまった。

少年の肩に青いゼリーが流れてきた。私はようやく我に返り、少年の頭を寝かせてうなじを調べた。ぷるぷると震える青いゼリーは、前に見たときよりずっと大きく膨らんでいた。少年のうなじの皮膚が裂け、白く透き通った骨格が見えていた。ゼリーは、骨格の奥からはみ出してきているようだった。

私は両手でゼリーを寄せると、とにかく皮膚の裂け目に押し当てた。すると、少年のけいれんは小さくなって、やがて収まった。

私は、少年が静かになった後も、ゼリーを押さえ続けていた。

光が射し込む。
雨の音がする。

しまった。
私は一気に跳ね起きた。

私の視線が、黄金の瞳に捕まる。
僅かに大きく開かれた眼は、すぐに柔らかく細められる。起こしちゃいましたか、と語りながら、テレビにリモコンを向ける。
砂嵐が黒く塗りつぶされ、雨音は止んだ。

私は、膝の上に丸まった毛布をたぐり寄せて、固く握り込む。
不思議な面持ちの少年を適当になだめて、少年に首筋を見せてもらう。そこには、ゼリーも皮膚の裂け目も、無くなっていた。
私は無意識に、首筋に指を這わせていた。うなじはびくん、と震え、大きな悲鳴も上がる。少年が、驚いて目を丸くしていた。

【小説】劣化「させられる」ロボット

家族がくつろぐ、リビングルーム。
その隅に、大きな布が被せられた家電がある。
十歳台前半の少年を模した、ロボットだった。

ロボットがこの家にやってきたのは、7年ほど前だった。

たくさんの洋服を買い与えられ、毎日とっかえひっかえ着せ替えられた。そして休日には、オーナーたちに連れられて頻繁に外出した。

しかし、しばらく経つと、ロボットに変化が現れた。
外装のプラスチックは染みのように醜く黄ばみ、やがてべたついてきた。髪の毛の色は、透き通るような赤色だったものが濁り、黒ずんできた。

オーナーたちは、ロボットの為に服を買わなくなった。ロボットを連れて外出することも、無くなってしまった。

ロボットは、それでも変わらずに明るい少年を演じていた。身体の外見が劣化してきても、初めて家に迎えられた時と変わらずに、どこまでも明るく振る舞っていた。

ロボットは、見た目が悪くなってしまったために、外に出ようよ、遊びに行こうよ、という願いはなかなか叶えられなかった。それでも、家事手伝いをしながら、オーナー一家にとけ込んでいた。

ロボットが迎えられてから5年目、ファームウェアアップデートの為に、ロボットはショップに一晩預けられた。
ショップから帰ってきたロボットは、一見なにも変わっていないように見えた。

しかし、1ヶ月、2ヶ月と経つと、ロボットは次第に口数が少なくなり、暗い表情を見せることが多くなった。ますます黄色く、醜くなる外装の色が、陰鬱な雰囲気に拍車をかけた。
6年目に入る頃にはオーナー一家もすっかり気が滅入ってしまい、ロボットは充電されないまま、布を掛けられて放置されるようになった。

7年目の今、ロボットの上に掛けられた布には、何冊ものカタログが重ねられている。カタログには、先日発売されたばかりのロボットたちが、きらびやかに描かれていた。


家庭用のロボットを製造する会社は今、空前の利益を上げている。
次から次へと、ロボットが売れていくからだ。

新しいロボットを売りたいのであれば、古いロボットに価値があっては困る。

外装部には安価で劣化しやすい素材を使用し、醜く変質していくに任せることにした。
それでも買い換えないのであれば、ファームウェアをいじってでも商品価値を無くす。

消費者はやがて古いロボットを見捨て、手頃で新しいロボットに手を出すことになる。


もちろん、消費者全員がこの戦略に賛同しているわけではない。ロボットに思い入れを持ち、修復して使い続ける人たちもいる。
彼らのニーズに応えるため、古いロボットを、ハードとソフトの両面から改造して再生する業者が散在している。
しかし、巨大企業に価格面で対抗できず、現状ではニッチな分野に留まっている。

しばらくは、この流れが続くだろう。
大量のロボットたちを使い捨てて。

【艦隊これくしょん解体SS】窓の無いあの部屋で

はじめに

ブラウザゲーム艦隊これくしょん」の二次創作作品となります。

暗いお話です。直接的な描写ではありませんが、少々キツイ表現がございます。

※設定改変がございます。ご注意ください。

 


解体作業室へ向かう廊下、明るい窓の前にベンチがおかれている。ベンチの横には小机があり、花瓶には黄色い菊が活けられている。

進められるままベンチに腰掛け、窓の外を眺める。
入り組んだ岬に抱かれた、こじんまりとした港だった。港を抱え込んだ岬の間に、ごく短く、水平線が見える。初めての海、潮の香りが心地よい。

手前の港には、小舟や、数隻の大型輸送船が留められている。いくらかの人々が、一目散に走り抜け、或いは何人かと談笑しながら、行き交っている。

突然、肩を掴まれる。私は、いつの間にかベンチから立ち上がり、窓枠に手をかけていた。
呼吸を深く一つつく。光が溢れる窓辺から、手を離した。

やがて私は、通路の突き当たりの部屋に案内される。
入った部屋には窓が無く、機械油のにおいが染み着いている。びっしりと工具が並ぶ棚に囲まれて、白いビニールシートが敷かれたベットが置かれている。

茶碗に注がれた白い飲み物を差し出される。口に含むと、ハッカの香りが広がる。飲み干して、茶碗を返すと、私は独り部屋に残される。ベットに向かい、腰掛けると、ビニールシートがパリパリと音を立てて身体を受け止める。そのまま、仰向けになる。
薄暗い部屋の中、胸が破れそうなほどの鼓動と呼吸を紛らわすため、そっと歌を紡ぐ。

我は海の子白波の
さわぐいそべの松原に
煙たなびくとまやこそ
我が懐かしき住みかなれ

無骨な裸電球を眺めて数分、違和感を感じる。腕が、脚が、首から下が、信じられないほどぐったりと重くて、動かない。
「解体」が、いよいよ始まる。

生まれてしおにゆあみして
なみを子守の歌と聞き
千里寄せくる海の気を
吸いてわれべとなりにけり

扉が開く音がする。
ベットの周りに足音が響き、工具を手に取る金属音が響く。
目の前に青い布切れが現れた。眼前が蒼くなり、すぐに真っ暗になった。なにも見えない。

高く鼻突くいその香に
不断の花のかおりあり
なぎさの松に吹く風を
いみじき楽と我は聞く

暗闇の中、時折身体が強く引かれて滑る感触だけがある。
突然、左足が軽く持ち上がるのを感じた。膝から先の、感覚がない。

丈余のろかい操りて
ゆくて定めぬ波まくら
百尋千尋の海の底
遊びなれたる庭広し

なにも見えないけど、私にはもう、手足がない。

幾年ここにきたえたる
鉄より堅きかいなあり
吹く塩風に黒みたる
肌は赤銅さながらに

何か、荷物を下ろす音がする。
左脚の断面に、針のような物が差し込まれる。

私の身体は、ついに、首から上も動かなくなっていく。

波に漂う氷山も
来たらば来たれ恐れんや
海まき上ぐるたつまきも
起こらば起れ驚かじ

もう、なにも分からない。
重い幕に包まれたような、圧迫感だけがある。

何も見えない、何も聞こえない。
私は首だけになってしまったのだろうか?

窓から覗いた海の匂いを思い返す。
いつまで、「歌い」続けられるだろうか。

いで大船に乗出して
我は拾わん海の富
いで軍艦に乗組みて
我は護らん海の国

ふっと、覆い被さっていた幕が消えた。
意識が、どこか深くへ引き込まれる。
ああ。
元居たところへ還るんだ。

つぎに生まれるときは、海を走れれば、いいな。

機械人間、メカ少女モチーフの作品 ソーシャルゲームイラスト

ミリオンアーサーイラストコンテストにて、機械人間、メカ少女モチーフの作品が掲載されています。

2015年7月に募集終了している為、削除等で作品数の減少が見込まれます。

閲覧はお早めにどうぞ。

 

→概要 ミリオンアーサーイラコン技 (みりおんあーさーいらこんぎ)とは【ピクシブ百科事典】

 

→検索タグ 「ミリオンアーサーイラコン技」の人気イラストやマンガ・画像 | pixiv

 

 

20160217追記

ソーシャルゲームのキャラクターは追いきれない…

キャラクター紹介 白の世界 | 『アンジュ・ヴィエルジュ』公式サイト

コードΩ46セニア -アンジュ・ヴィエルジュ ~第2風紀委員 ガールズバトル~攻略Wiki 【アンジュ攻略】 - Gamerch

 

キャラクター紹介 白の世界 | 『アンジュ・ヴィエルジュ』公式サイト

コード=204ケイティ -アンジュ・ヴィエルジュ ~第2風紀委員 ガールズバトル~攻略Wiki 【アンジュ攻略】 - Gamerch

 

本多忠勝-投入- - 【mobage】戦国武将姫 MURAMASA 攻略まとめwiki

 

設定が凄く重い

ロボミ (SR) - グランブルーファンタジー(グラブル)攻略wiki

ロボミ (ろぼみ)とは【ピクシブ百科事典】

 

「チェインクロニクル」も「鉄煙の大陸」などというフィールドがある程力を入れていて、キャラクターが豊富だが、未チェック。

http://チェインクロニクル.gamerch.com/自動機械人形オネット

少年型警備ロボットとの邂逅と捕獲

明かりのない、薄暗い通路。
駆け足で進む私の顔に、突然、鋭い痛みが走る。
とっさに避け、後ろへ大きく飛びのく。

私の前に、突然、線の細い人影が浮かび上がった。
槍を手にした少年が、私の前に立ちふさがっていた。
なめらかな薄黒い肌と黒いタイツが、闇にとけ込んでいる。
無表情な鋭い目が、私を見つめていた。

私は、少年に対してゾクリとした。私に不意打ちを食らわせる実力と、少年が纏う雰囲気の鋭さ。ただ者ではない。

少年が、こちらに向かって槍を突き出す。私はそれを右に避け、絶縁ナイフを手にとって、体勢を崩した少年の懐に入る。少年の腹の一点を目がけて、ナイフを突き立てる。
少年が身を引く前に、私はナイフを横に引き抜き、腹を一文字にかっさばく。タイツが裂け、プラスチックでできた少年の腹が露わになる。ナイフはプラスチック板をつなぐ関節のゴムカバーを斬り裂き、バッテリーから延びるケーブルを切断していた。
電力供給を喪った少年は、槍を突き出した姿勢で硬直したまま、ゆっくりとひっくり返った。

見事、確保に成功。最小限の損傷で、最新の警備ロボットを入手した。私のザックの中には、ロボットハック用の器具があるはずだ。
少々運びにくいが、私は硬直した少年を抱え込むと、手近な倉庫に移動し、扉を閉めた。 

【小説】トラップロボットの作製 (2) (着せ替え、改造)

 ロボットの汚れを落としたら、次は散髪だ。

 

大きな鏡の前に、椅子を移動させる。

ロボットを椅子に座らせ、散髪用の保護ポンチョを着せる。

俺は、ロボットが頭にかぶっている頭髪の保護ビニールを、手で取り外した。

薄いピンクの髪が、ゴムひもで束ねられている。

「目を閉じて、いいというまで開けないで」ロボットが、目を固く閉じる。

ゴムひもを外すと、髪の毛が、ぶわっと一気に広がった。

小さなロボットの頭が、くるりと丸まるくせ髪ですっぽりと包み込まれた。

 

俺は、端末を操作し、整えるヘアスタイルを表示させる。

端末を鏡の横に置き、ハサミを手に取る。

ロボットの髪の毛をざくざくと切り落としていく。

 

 2時間後、俺は仕上げ用のハサミをケースに仕舞う。

 「ふぅ。目を開けていいぞ」俺が声をかけると、ロボットが目蓋を上げる。

完成したのは、首筋がすっきり見えるショートカットだ。散髪を始めてからずっと目を閉じていたロボットは、緩くカールした毛先を、指で恐る恐る摘んでいる。青いカメラアイは、鏡の中の姿を見つめっばなしだ。

 

「どうだ?」俺は、ぼーっと観察し続けているロボットに、声をかける。

「あ、い、良いですよ。ありがとうございます」我に返ったロボットが答える。

 

俺は新しい服を取り出し、ロボットに見せる。それなりに見られる可愛い服だ。

「これを着てくれ」

「ありがとうございます」ロボットに、また笑顔が出る。俺は、ため息をこらえる。

 

服を着たロボットが、鏡の前に立つ。

 

「ゆっくり回ってみてくれ」
「はい」

ロボットは、うれしそうにはにかみながら、鏡の前で回る。俺は、これが最後だ、と自分に言い聞かせる。

出来は完璧。これなら大丈夫だろう。

「こっちに来てくれ」

ロボットを、奥の部屋に導き、椅子に座らせる。

「プログラムの様子を見る。プラグを繋ぐぞ」

丁寧に整えた髪の毛をすくい上げると、華やかな香料の匂いが広がる。

ロボットの後頭部に設置されたコネクタを出し、プラグを繋ぐ。

端末上に立ち上がったロボットの書き換えプログラムを再度確認する。準備が完了すると、俺はそっとロボットの方に視線を送る。

ロボットは、"なにやら作業をしている"俺の方をじっと見ている。俺の表情に不穏な陰が見えるのだろう。ロボットは俺に目を合わせ、真剣な表情のままそっと首を傾げた。

ピンクの前髪が、はらりとこぼれる。


俺は堪らず、端末の画面に視線を戻す。

準備したプログラムの上に、ロボットの操作コンソールを呼び出す。

俺は、ロボットの方を見ずに、

「すまんが、またベットに横になってくれないか」と命令する。

「はい」ロボットは、後頭部からケーブルを垂らしながら、素直にベットに向かった。

 

俺は、ロボットがベットに寝たことを確認すると、端末上の操作コンソールをタッチして、ロボットの意識を奪う。

ロボットは、静かに眼を閉じ、眠りについた。

 

俺は、端末にロボットの書き換えプログラムを表示させた。

ベットの方をちらりと見た後、息を止め、プログラムの実行ボタンを人差し指でタン、とタッチした。

目の前で、プログラムの進行を示すバーが伸びていった。俺は、椅子から立ち上がってベットに向かい、力無く横たわったロボットの眼を指で押し開けた。

ロボットの青いカメラアイは、焦点が合わないまま、中央部を黄色く点滅させていた。

俺は、書き換えが順調に進んでいることを確認すると、ゆっくりと息を吐いた。