hdnprgの日記

アンドロイド、ヒューマノイドを扱った小説を、思いつき次第公開します。諸事情により、他サイトでも投稿中@hdn_prg

ショッピングモールへお出かけ_ロボットのいる日常

ロボットは、シートに深く腰掛け、外を流れる景色を眺めていた。ロボットは若い女性を象った顔を持ち、オーナーである家族の家事手伝いをしている。

ロボットのオーナーは、月に1度、車で1時間のところにある大型ショッピングモールへ買い物に向かう。
車を走らせてすでに半刻以上、車内はラジオの音だけが響いている。初めは盛り上がっていた少年も、後部座席で携帯電話を触っている。車を運転する男は助手席の女性から缶コーヒーを受け取り、口に含んだ。

ロボットショップは、店内に入ってすぐのところにある。
オーナーが買い物を楽しむ間、ロボットはショップに預けられ、点検と調整を受けるのだ。
広い間口を備えたショップ前に、端末を構えた店員がずらりと並び、入店した客から次々とロボットを受け入れている。
女性は、店員と手短にやりとりすると、ロボットを店員に預け、伝票を受け取る。店員は、ロボットに管理タグを渡す。自分の手首にタグを巻き付けたロボットが顔を上げると、女性はすでにこちらを見ておらず、家族と共にショッピングモールの奥に向かうところだった。いつもの光景だ。
ロボットは、ロボットショップの店内に入り、他のロボットと共に点検の順番を待つ。

夕方、オーナーたちはショッピングカートに荷物を満載してやってきた。
ロボットショップで支払いを済ます。点検の結果、今回は特に異常が無かったようだ。
ショップから出てきたロボットは、カートを押してオーナーたちの後を歩く。点検後初めての仕事は、車への荷物の積み込みだ。