【小説】モデル人形の末路
私は、人形だ。
人に見られるためにつくられた。
細い身体。剥き出しの丸い間接。折れそうな程華奢な首。小さな頭。長い睫。
白いドレスを着せられて、レースを敷き詰めた小部屋の中で、何度も何度も写真を撮られた。
でも、私の身体はプラスチックでできている。透き通るような白い肌は、日の光を避けていても黄色く変色していく。光を吸い込むような真っ黒い短髪は、次第に色が抜けて滑らかさを失っていく。
持ち主は、新しい人形を買った。私は、新しい人形が収まるセットをつくらされた。柔らかい手は、椅子を持ち上げただけでくっきりと跡が残った。私の身体は、あっという間にぼろぼろになった。
持ち主は、立ち上がることさえできなくなった私を黒い袋に投げ込んで、道端に捨てた。
…もうそろそろ、電源を貰ってもいい?気が遠くなってきちゃった。