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hdnprgの日記

アンドロイド、ヒューマノイドを扱った小説を、思いつき次第公開します。諸事情により、他サイトでも投稿中@hdn_prg

明確な弱点

「提督になんかなるもんじゃねえぞ」
男は、歩きながらぼさぼさの灰髪をかきむしり、へたった帽子を指にひっかけて回す。
くるくる回る帽子は、ほっそりとした指に摘まれる。
「言っても仕方ないですよ。私たちにとって、今の提督は貴方だけなんですから」
細縁の眼鏡を掛けた少女は、帽子に乗った砂埃を払い、形を整えていく。

「大体不公平だ、艦娘って奴は」
「またいつものかい?」褐色の肌の娘が、懐から葉巻を取り出し、男に渡す。
「ああ、いつものだ」
男は自分で火をつける。
「お前等、生半可な銃・爆弾なんか叩き込んだって、ビクともしねえ。こっちは生身の人間だ。一撃で死ぬってのによ。なのにお前等は、俺なしじゃあ戦えん」
目を閉じ、口にくわえ、一息吸い込む。踵を返し、背後を見つめる。
「そうなるとな、こうだ」
轟音と熱風が、瞬時に広がる。
飛来した対戦車ロケットの群は、武蔵と大淀が張った弾幕によって、すべて打ち落とされた。

男が、ゆっくりと紫煙を吐き出す。
「全く、因果な商売だよ」