hdnprgの日記

アンドロイド、ヒューマノイドを扱った小説を、思いつき次第公開します。諸事情により、他サイトでも投稿中@hdn_prg

少女

彼女は私の頭の中、あるいは目の前に

ここは、私が領主様よりいただいた館。私は、この館の主だ。 「オカエリナサイマセ」私が館に入ると、メイドロボが出迎える。私の靴を片づけ、外套を仕舞う。 今夜は時間がある。少し遊びたい。「ちょっと来て」「カシコマリマシタ」メイドを引き連れて、私…

【好きなシーンメモ】電脳は命の最期まで文を書く

彼女は返事を書く。『あ、佐藤さんからメールだ。・・・うん、そうなんだよ、英語がむずかしくて困ってるんだ。今日の授業の助動詞とか、もうぜんぜん分からなくて・・・チャットで教えてもらえますか?っと・・・送信っ』ポロン『お、もう返信来た。チャット、今すぐ…

【好きなシーンメモ】捨て石役の居るバトルシーン(人形/ロボットの破壊シーンあり)

筋骨隆々とした男の全周を、人の背丈と同じ体躯を持つ7体の人形が取り囲んだ。広場の奥から、燕尾服を着込んだ男が現れる。背後に、ひときわ美しい少女型の人形を従えている。燕尾服の男は、巨大なめがねの裏でにまりと笑う。「開演の時間だ。お前に選択肢は…

【掌編】ロボットもの 匂やかな少女たちの喜戯

Tシャツの裾を掴み、まくりあげる。白い、つややかな背中が現れる。「きれいね」私は、背中に指を当て、そっとなで上げる。「ははは、くすぐったいからやめてよ、もう」ころっと丸く、小さな頭。ゆるやかに巻いた、鮮やかな銅色のヘアがくるんでいる。「うん…

透明な絶望 (デスゲームもの)

透明な球体。人の背丈を超える大きさの風船に向かって、全力疾走。風船が弾み、俺は反動をそのままに反転、部屋の反対へ向かって走り出す。 俺とキルシュは、死のゲームに投げ込まれた。ざっと見たところ、参加者は数十人ほどだった。球形の風船。「ワクチン…

【小説、状態変化描写あり】思考加速用スライムヒューマノイド

私は、大きなリクライニングソファを限界まで倒すと、ゆったりと腰掛ける。 部屋の中を見回す。広くない部屋には、私が座っているソファの他に、デスクと大きな機械が設置されている。 部屋の扉が開き、誰かが入ってくる。首元に識別のためのチョーカーをは…

ショッピングモールへお出かけ_ロボットのいる日常

ロボットは、シートに深く腰掛け、外を流れる景色を眺めていた。ロボットは若い女性を象った顔を持ち、オーナーである家族の家事手伝いをしている。 ロボットのオーナーは、月に1度、車で1時間のところにある大型ショッピングモールへ買い物に向かう。車を走…

【艦隊これくしょん解体SS】窓の無いあの部屋で

はじめに ブラウザゲーム「艦隊これくしょん」の二次創作作品となります。 暗いお話です。直接的な描写ではありませんが、少々キツイ表現がございます。 ※設定改変がございます。ご注意ください。 解体作業室へ向かう廊下、明るい窓の前にベンチがおかれてい…

【小説】トラップロボットの作製 (2) (着せ替え、改造)

ロボットの汚れを落としたら、次は散髪だ。 大きな鏡の前に、椅子を移動させる。 ロボットを椅子に座らせ、散髪用の保護ポンチョを着せる。 俺は、ロボットが頭にかぶっている頭髪の保護ビニールを、手で取り外した。 薄いピンクの髪が、ゴムひもで束ねられ…

【小説】トラップロボットの作製 (1) (着せ替え、改造)

少女型ロボットの身なりを整え、プログラムを書き換えるお話です。 書き換えシーンは(2)に入ります。 ----------------------------- 目覚めても、暗い。この部屋には窓が無い。 電気をつけて時計を見ると、日の出前の時間だ。 俺は飛び起き、顔を洗って作業…

【小説】晒し者(下)

作業台の上に、人型のロボットが仰向けに寝かされている。その身体は、泥と油にまみれている。その上、背中はばっさりと切り開かれて、内部の部品は無惨に破壊され、焼き付いていた。 作業代の傍らに、一人の少女がたっている。少女は、ぼろぼろの少年型ロボ…

【小説】晒し者(上) (残酷な描写有り、メカバレ)

住宅街の中にある、僅かな空き地。膝丈ほどの草が茂る広場の中央に、人の高さほどの白い塔が立っている。 塔の周りで、十人程の人影が、固まって蠢いている。皆、痛々しい姿を晒している。顔が半分抉れていたり、右肩から先が欠けていたり、胸元の皮膚を大き…

秘密の乗り移り歩き

大都市の地下街、十字路の真ん中。四方に伸びる通路の両側はすべて商店となっていて、店員が忙しく動き回っている。それらの通路に向けて、絶え間なく人が行き交う広場の中央には、巨大なガラスのオブジェが置かれている。 スーツ姿の女性ロボットと、私は、…

逃走

白髪の少女と、同じく白髪の少年。同じ姿をした、無表情の少年少女に囲まれている。全員の手には、金色の短槍が握られている。囲まれた少年と少女は、短槍を操り、襲いかかってくる刺客をひるませ、倒す。背中合わせで、互いが互いを守る。少女の正面で、包…

【小説】マネキンの秘密

場末の洋服店。閉店後の店内。店長は、アルバイトを皆送り出して、一人残って閉店作業を続けている。「ふー。伝票はこれでよし。…」立ち上がると、周囲を見渡す。シャッターが降りていることを確認して、店の事務室に入り防犯カメラのスイッチを落とす。テー…

【小説】モデル人形の末路

私は、人形だ。人に見られるためにつくられた。細い身体。剥き出しの丸い間接。折れそうな程華奢な首。小さな頭。長い睫。白いドレスを着せられて、レースを敷き詰めた小部屋の中で、何度も何度も写真を撮られた。でも、私の身体はプラスチックでできている…